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トア・ホテル

「アドルフに告ぐ」の(ワイド版第2巻P70、文庫版第2巻P72)をご覧ください。上の大きなコマでカウフマン邸を張り込む刑事が描かれています。その張り込みをしている刑事がもたれている電柱にご注目ください。電柱の広告に「トア・ホテル電話」と描かれているのが確認できます。手塚先生の細かい演出がわかります。
また、「アドルフに告ぐ」の(ワイド版第2巻P157、文庫版第2巻P159)の左上のコマのせりふでランプが泊まる宿が「トアロード・ホテル」という設定になっています。
これら二つの「トア・ホテル」「トアロード・ホテル」なるホテルは現在は存在しません。「ホテルトアロード」というホテルはトアロードの中ほどにあります。しかし戦前の神戸には海岸通の「オリエンタルホテル」と並ぶ超一流ホテル『トアホテル』が確かに存在したのです。それを今回ご紹介したいと思います。

トアホテル

トアホテル絵葉書
『THE TOR HOTEL, Kobe, Japan.』
トアホテルです。現在のトアロードはこのホテルが道の北の山側にあったことによりトアロードという名前になったという逸話です。道の名前になるほどですから、よっぽど神戸の象徴的な建築物の一つだったのでしょう。
1908年(明治41年)開業のホテルで、当時はエジプトのスエズ運河より東では最高のホテルと言われていたほどのようです。戦争では焼失しなかったのですが、戦後の昭和20年以降はGHQが接収し、1950年(昭和25年)に火災により焼失してしまいました。

トアホテル絵葉書裏面
上の絵葉書の裏面です。「Compliments of the Tor Hotel. Kobe. Japan.」とあります。興味深いのは切手を貼る部分のデザインが鳥居の絵になっています。トアホテルは西欧風のホテルですがなぜか入口を入ってすぐに鳥居があったようで、鳥居がホテルのシンボルマークに使われていたようです。現在のトアホテル跡地に建つ「神戸外国倶楽部」の敷地にも鳥居が残されています。

トーアホテル絵葉書
『GRACEFUL TOA・HOTEL, KOBE. (神戸)優美なるトーアホテル』
別の絵葉書です。なぜかこちらは英語表記が「TOA・HOTEL」で日本語表記が「トーアホテル」になっています。トア・ホテルは「トアホテル」もしくは「トーアホテル」、また東アジアという意味で「東亜ホテル」や「東亞ホテル」と表記されたり色々です。名前の由来も諸説あり、はっきりとはわかっていないようです。

当方の所有する写真はこれらのみですが、外部サイトでトアホテルの絵葉書を集めている方がおられましたので、ここで紹介したいと思います。どれもとてもすばらしい写真の数々です。
外部リンク
トアホテル絵葉書コレクション

神戸外国倶楽部

神戸外国倶楽部の門
現在トアホテル跡地に建つ神戸外国倶楽部の入口です。正面門の「KOBE CLUB」の文字が美しいです。

神戸外国倶楽部の入口の柱
入口門の但し書き。当然ですが基本は外国人クラブですから会員制クラブのようです。

神戸外国倶楽部の入口
別の角度から。入口門の「K」の文字の上にかすかに鳥居があるのが見えます。

昭和2年の神戸地図
昭和2年の神戸市街地図より。「TOA HOTEL」「東亞ホテル」とあります。

昭和29年の神戸地図
こちらは昭和29年の神戸市街地図より。すでに焼失していると思われますが、地図上ではまだ「東亞ホテル」とあります。また、その下へ続く道が「東亞ロード」となっているのがわかります。現在へ続くトアロードです。

Google mapsより

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